【英語勉強法】初心者がフィリピン留学する前に押さえておくべき8つの教材

フィリピンへの留学が決まった。日程も確定したし、チケットも予約した。でもいったい何を勉強すればいいのかわからない……。そんな人も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、留学前にどんな勉強をしておくといいのか、初心者にターゲットにオススメの教材を紹介したいと思います。

英語の勉強法の原理原則を学ぶ

英語学習というととにかく文法に単語、そして精読…というような学習の順番を辿りがちですが、本当にこれで効果があるのでしょうか? 巷にもそのような学習方法をオススメしているサイトが複数ありますが、それらのサイトを作った方がご自身の英語を晒していることは滅多にありません。果たして、こうした文法を中心とした学習方法は本当に効果があるのでしょうか?

私はこのような勉強方法は遠回りな方法だと考えています。そして、これは別に私独自の意見という訳でもなく、世界での外国語習得方法は、ここ30年で文法文法を中心とした方法から「フォーカス・オン・フォーム」(Focus on Form)と 呼ばれる、会話と文法学習を効果的に繋げたものへとシフトしています。これは、文法を中心とした学習方法では際立った上達がみられないためです。

関連記事:体験型英語学習法【フォーカス・オン・フォーム】を紹介します

1.どうすれば日本人は英語を話せるようになるのか! ?

この「フォーカス・オン・フォーム」という用語こそ出てきませんが、言語を獲得するにはどのように学習を進めていけばいいのか、その原理原則を詳しく解説してくれるのがこちらの1冊です。


この本はハーバード大学の大学院で教育学を修め、日本で英語を教えているアンドリュー・ロビンスさんによって書かれています。まず最初にこちらの1冊に目を通すことをオススメします。

初心者に必要なこと

では次に初心者の定義ですが、この記事では「TOEIC500点以下の人」とします。TOEICの点数が500点以下の人は、中学英語で理解できていない部分が少なからずあるからです。一見遠回りに見えても、中学の復習からやり直すのが結局は近道です。

久しぶりに中学英語をやり直してみると、中学当時にはよくわからなかったことが改めて理解できますし、自分がどこを難しく感じているのかも明らかになります。何事も「何を知らないのかを知る」というのが最初の一歩です。

また、上記の本にもありますが、英語学習は「会話から入ること」を強くお勧めします。文法の問題集をガチガチにやりこむところから入った人ほど、会話になると「あ〜う〜」と呟くばかりで言葉が出てきません。「文法をしっかり勉強してから会話をやろう」などと考えず、ごく基本的なことでも、会話からスタートしましょう。相手に話しかけられたら、返事が “Pardon me?” でもいいですから、必ず2秒以内に返事をするように最初から習慣づけましょう。

さて、「中学英語」と聞いて学校の教科書を想像する人がいるかもしれませんが、私がここでオススメするのは、まずそれ以前に、発音とスペリングの関係からのスタートすることです。

2. 小学生のフォニックス Book 1,2,3 CDつきテキスト

こちらの本は、フォニックス(Phonics)を学ぶためのテキストです。フォニックスというのは英語のスペル(つづり)と発音の関係を学習する方法で、 アメリカなどでは幼稚園〜小学校1年くらいまでに必ず習います。これを学ぶことで、7〜8割くらいの単語は初見でも正確に発音できるようになります。なぜ日本の学校で教えないのか全く不思議なのですが、大人がやっても非常に効果があります。 ここで紹介する本は小学生向けですが、非常によくできています。私がフォニックスに出会ったのはアメリカで大学を卒業し、アップルの日本法人で9年間働き、なおかつ米国アップル本社で管理職として働き始めてからのことですが、それでも学ぶことが少なくありませんでした。子供向けなどとバカにせず、是非取り組んでみてください。

3. 絵で見る英語 Book 1,2,3【MP3形式CD付】

次にオススメするのは、英語の基本的な言い回しや文法を理解です。文法と聞いただけで鳥肌が立つ人もいるかもしれませんが、別に文法用語など覚えなくても、基本的な英語のルールを獲得することは十二分に可能です。 そこでオススメするのがこちらの書籍です。この本は1945年の初版以来、40カ国以上で出版され、今も売れ続けている世界が認めた英語学習の名作です。理解度を確認するための練習問題もふんだんに付属しています。シリーズになっており、3つ網羅すれば英語を話す上で必要な英文法は網羅できます。日本語に頼らずにすべて絵で表してあります。文法に苦手意識を持っている方は、騙されたと思ってこの本を数回回してみることをオススメします。とくに1と2がしっかりに身につけば、簡単なことはさほど滞りなく話せるようになりますし、日本語を介さないため、ごく初期から英語で考える習慣を作ることができます。

4. Oxford Word Skills: Basic, Intermediate, Advanced (Book and CD-ROM)

こちらは英語圏でごく自然に使う表現方法がまとまった書籍です。時間の言い表し方、日頃のルーチンの表現方法など、必要な表現がたくさん掲載されています。また、練習問題もついています。シリーズで3冊ありますが、最初の2冊を身につければ、基本的な表現方法を身につけることができます。

5. 中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく

どうしても日本語で文法をやり直したい方は、こちらの1冊をどうぞ。良書です。

6. グローバル時代を生き抜くためのハーバード式英語学習法

漫然とおしゃべりを繰り返していても、文法のミスはなかなか減りません。なぜかというと、会話というのは流れていってしまうからです。そこで重要になるのが英作文です。こちらは英作文のエッセンスが詰め込まれた一冊です。ぜひ必ず目を通し、5行からでいいですから、英作文にチャレンジしましょう。

洋書にチャレンジしよう!

ここまできたら、いよいよ洋書デビューです。Brighture では、洋書の多読を強く勧めています。なぜなら、さまざまな話題を滑らかに話せるようになるには、語彙や文法だけでなく、大量の周辺知識をそもそも英語で頭に入れておく必要があるからです。こうした積み上げをしていかないと、いつになってもお天気やお買い物の話以上のことを話せるようになりません。ですので必要以上に恐れず、洋書にチャレンジしていくことを強くオススメします。

まず最初の1冊目は、ネイティブの小学校1年生を対象にした本です。

7. Frog and Toad Together

こちらはTOEICが400点未満でもなんとか読めます。日本でも「がまくんとかえるくん」というタイトルで訳本が売られています。

8. Who Was Steve Jobs? (Who Was…?)

こちらはスティーブ・ジョブズの伝記ですが、ネイティブなら小学校1〜2年生程度で読める1冊です。こんなふうに少しずつハードルを上げていくと、英語脳が少しずつ育っていきます。なお、このシリーズは全部で50冊以上販売されておりますので、片っ端から読んでみてください。実際にブライチャーに来た初心者の方で、留学前にこのシリーズをほぼ全て読破してきた方がいます。それだけでも相当しっかりしたベースが出来上がります。ぜひチャレンジしてみてください。

さて以上、フィリピン留学を控えた初心者にオススメする8冊です。リスニング等の教材は、また別の記事で紹介したいと思います。

博 松井
hiroshi.matsui@brighture.jp

著書に『僕がアップルで学んだこと』『企業が「帝国化」するアップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔』などがある。2009年まで米国のアップル本社にシニアマネージャとして勤務。大学や企業での講演も多数。